社長挨拶

本当の働き方改革とはなんでしょう?

2019年より働き方改革法案が施行され「働き方を変えて行こう」という意識が一般化してきました。元々の法案の目的は、労働人口の減少による経済の停滞・国力の低下をどう抑えるか、という点にあります。簡単に言えば、国民全員が労働力として活躍できるように、ということでしょう。対応策としては(1)働き手を増やす(2)出生率を上げる(3)生産性の向上、があげられています。具体策として良く話題になるのは(a)長時間労働の解消(b)正規・非正規雇用の格差解消(c)高齢者の就労促進、です。(a)は(3)と密接に関係するでしょう。(b)は(1)、(2)に寄与しそうですし、(c)は直接的に(1)につながります。

COVID-19に良かった点があるとすれば、今まで隠れていた無駄(非効率)があぶり出されたことでしょうか。本来不要であった会議や通勤に時間を奪われていたことに気づかされました。単純に考えて、最も効率良く働くには何が必要でしょうか。簡単です。「どこで」「いつ」働くのが最も効率的かは、人によって全然異なります。在宅勤務の方が効率が上がった、と気づいた方も多いでしょう。COVID-19のおかげで「どこで」についての柔軟な考えは、だいぶ浸透しました(必ずしも実践できてはいませんが、少なくとも概念は認知されました)。

働く時間を自由に

ところが「いつ」に関してはほぼ考慮されていません。在宅勤務であっても9amにPCの前に座り、5pmに仕事終了、酷い場合はそれを会社が「監視する」システムやサービスまであります。そのための管理コストで、在宅勤務で効率化できた分を台無しにしていないでしょうか。

働かなければいけない時間が決められてしまっているために、本来能力を持っている筈であるのに、生産力に組み入れられない潜在的な労働力は数えきれないほどあります。一番は、やはり小さなお子さんを育てている方(男女問わず)、介護をされている方でしょう。いつ、働く時間がとれるかなど、その時にならないとわからないことが「普通」です。働く場所だけでなく、働く時間も自由に開放しない限り、この潜在的な労働力は活かされません。某国の環境相がやったように、育休2週間で家事分担をすることで、何かが解決すると本当に思いますか?

実は、私たちソフトウェア技術者・研究者は20年も前から普通にしてきたことなのです。キーワードは「非同期コミュニケーション」です。もちろん職種によりますが、複数人が同時進行で何かをしなければならないことなど、意外とありません。それぞれ分担されたタスクを、何らかの方法で共有し、最後に統合すれば済む話がほとんどです。コミュニケーションも同様です。何か質問や報告があれば、自分の都合の良い時にそれをメールなりSNSなり(安全なものなら何でも良いのです-Lineはダメですね)で送り、相手も自分の都合の良い時にそれを読むなり返事するなりすれば済む話です。本来、メールやコラボレーションツールは時間差を吸収するためにある筈ですが、最近はやりの「〇〇マナー講師」などが、返事は30分以内にしないと失礼です、終業時間以降にメールを送るのは失礼です、などとまるで本来のメリットを否定するような使い方を、まことしやかに説いています。

中にはリアルタイムのやり取りが必要なタスクもあるでしょう。が、みなさん、ご自身の業務フローを良く見なおしてみてください。そうでないものの方が多くはありませんか? 各自が、自分の都合の良い時に働くことができれば、子育て中の方でも介護中の方でも、十分に労働力となれます。早朝だろうが、夜中だろうが、休日だろうが構わない事務や技術の仕事など、山ほどあります。また、時間を管理する・される、などという無駄なコストをすべてなくすことができます。
※ただし、労働基準法というやっかいな、場合によっては働く側にとっても不利な法律もあり、ここを変えて行く必要もあるでしょう

長い文章になってしまいました。当社のビジョンである「中小・個人の電子化・効率化支援」の本当のゴールは、時間の制約も開放し、今まで労働に参加できなかった人達に、働く機会を提供する道具や環境、働き方のアイデアを提供することであり、それがミッションであると考えています。すべての人が自由に働けるようになるということは、社会生活そのものが変わって行くことを意味しています。新しいビジネスモデルや製品・サービスも多数生まれることでしょう。電子化などの技術は道具であり、それを使って人を育成し、働き方、生き方を変えていかなれけば意味はありません。

代表取締役
藤原敏樹
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